R type

Concept

右だけど左、左だけど右。前だけど後ろ、だけど前へ。 反復運動しながらランダムに前に進む、
その螺旋運動の物体は、 あなたもしくはわたしは、多次元的時間の宇宙( そら) で どこから 何を観て なにかを想う。
コントラストを高めるこの世界は、混沌としながらも美しい放物線を描きつつ、究極へと向かい、究極に吸い込まれる。
今は昔 太古と超未来が両存する西暦2014 年現在、現次元。 今はここ ここはどこ? わたしたちは何者?

R type L は2 人のアーティスト、東京がベースの山田と大阪がベースの長田、
それに愉快な仲間達により、2001年に結成された。
それ以降、アンチ資源浪費型社会のための創造、独自の自然観、旅行愛、共同作業をコンセプトに主に音楽やダンス、
アートイベントでの美術製作の創作活動している。

ある一つの対象物は、私たちの位置から見れば、右側にある様にある。反対の位置にいる誰かからするとそれは左側にある。
一つの同じもの、誰かからすれば、それは無意味で、ゴミなのかもしれない。
だけど 立場をかえて手にしてみればそれはアート制作の素材かもしれないし、何かを教えてくれる大切なものかもしれない。

利用される主な素材は海や山や街、いたる所より収集してきた植物やゴミ、工業スクラップ。
そして足場用鉄パイプを使って、独自のかたちに組み上げられる構造を基礎に、無機質で人工的なものと自然のものとを
手作業の力で有機的に織り交ぜ、近未来的かつ幻想的なオブジェやステージ、空間をつくり、唯一無二の世界を投影し続けてきた。
それはミュージックフェスティバル、ダンスパーティーシーンであり、オルタナティブでエッヂなアートシーン。
そこにはより自由で新しい遊びやライフスタイルを求める人たちと音楽があり、
自然や都市のエネルギーがカオスの中で共鳴し合い融合する素晴らしい場と時間である。
それが私達にとってのアートであり、現代社会が必要としているお祭りであると思っている。

パーティーとか祭りとか、音楽とか旅とかアート そして非日常的日常生活。街でも自然の中でもいたる所に発生した辺境。
自分達が作品を作る環境はいつもそんな場面で、気の合う仲間や素材が自然に集まってくる不思議に満ちている。
変化していく世界の辺境から、ざわざわと平和な革命が進んできている。

山田は , 長田は 名義でのそれぞれのソロ活動と近年は日本の冬場は南半球に渡り、オーストラリア
ツアーで終わりなき夏を追って、活動を拡げている。

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History

山田卓生 1977年 東京生まれ 日本大学芸術学部写真学科卒業
長田道夫 1978年 富山生まれ 大阪音響専門学校卒業


<イベント>
1997~ 当時東京を拠点にダンスパーティーを主催していた "EQUINOX"の中で、活動を始める
1998 Planet Maya メルボルン / オーストラリア
2004~12 渚音楽祭 東京、大阪
2005 Rocket Festival マラガ/スペイン
2005~12 Space Gathering 日本各地
2006~7.10~15フジロックフェスティバル 苗場 新潟
2007 Earth Core メルボルン / オーストラリア
2007~15 サマーソニック 幕張 千葉
2007~16 Maitreya Art &Music Festival メルボルン / オーストラリア
2008~12 Rainbow Serpent Festival メルボルン / オーストラリア
2009 奄美皆既日食音楽祭 奄美大島
2009~16Earth Freq -art&music festival クイーンズランド / オーストラリア
2012.15 別府国際芸術祭 混浴温泉世界 別府 大分
2012 ECLIPSE 2013 -art&music festival クイーンズランド / オーストラリア
2012 子ども野外ワークショップ <子どもアートキャンプ> 東京
2014~16 COWNTDOWN JAPAN 幕張 千葉
2016 Theater In Museum 大分県立美術館 大分 


<PV製作>
2004 DOWNY <壱式>
2005 Electrical Lover <dumbo>
2012 AKB <浜辺のマリー>
2013 BIS <Stupig> 宇宙人 <悪の華> SCANDAL <Over Drive> Moumoon <Love Before We Die>
2014 NTT docomo CM<UFO> 9mm parabellum bullet<反逆のマーチ>


<展覧会、舞台>
2005 The Ark Brothersー箱船兄弟 ストライプハウスギャラリー  東京
2006 千賀裕子企画 演劇 『オフィーリア マシーン』 シアターX 東京
2007 Missing Ring Gallery Para Grove 東京
2008 東野祥子 独舞 『Vacuum Zoon』  シアタートラム 東京
2009 牛窓アジア交流芸術祭 オリーブ園  岡山
2010 浜辺のルネッサンス 葉山一色海岸 神奈川
2010 Tropical Ghost Galaxy Gallery 大阪
2011 Camblia Ganglia Galaxy Gallery 大阪
2012 no title 麹町画廊 東京
2012-13 横浜ダンストラック
2015 顔のある家 東京

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Process

山田と長田、そして愉快な仲間達による制作は、まず「拾う」ことから始まる。海辺に打ち上げられた流木、街角に捨てられた鉄パイプ、山道で拾った枯れ葉、工場の端材。それらは彼らにとって単なる廃棄物ではなく、物語を持った断片だ。手に取る瞬間、その素材がどこから来て何を見てきたのかを想像する。すると右と左、前と後ろが反転するように、ゴミと呼ばれるものが突如としてアートの素材へと変貌する。この変換の瞬間こそが、R type L の創造の核である。

現場での組み立ては即興的で有機的だ。設計図は頭の中にぼんやりとあるだけで、実際の形は素材同士の出会いとその日の風、光、集まった人々の気配によって決まっていく。足場用鉄パイプを軸に、無機質な工業スクラップと柔らかな自然物を手作業で編み込んでいく。溶接や結束バンド、麻ひも、時には蔓までも使う。近未来的な構造体が、まるで太古からそこに生えていたかのように立ち上がる。完成したオブジェは決して静止せず、見る者の位置や時間によってその表情を変え続ける。右から見れば左へ傾き、左から見れば右へ流れる。その螺旋運動こそが、彼らが追い求める「多次元的時間の宇宙」への入り口なのだ。

共同作業では役割分担という概念が曖昧になる。山田が写真家としての構図感覚で空間全体を捉え、長田が音響的なバランスでリズムを刻む。しかし現場では互いの手が自然に交差し、誰が何をしたのかわからなくなるほど溶け合う。その混沌が美しい放物線を描き、作品は常に「未完成の完成」として提示される。

Sound and Space

R type L の作品は視覚的なオブジェであると同時に、音楽と不可分に結びついた「共鳴体」でもある。彼らが主に活動するミュージックフェスティバルやダンスパーティーの現場では、ステージ装飾や空間演出としての美術製作が中心となる。鉄パイプの構造体は、巨大な打楽器のように低音に反応して微かに震え、植物や布が風と音の波に揺れる。観客が踊る振動が地面を伝わり、オブジェ全体が生き物のように呼吸し始める。その空間は、人工的な電子音と自然のざわめきが混沌の中で融合する、まさに「お祭り」の場である。

彼らは音響設備の配置や照明の当たり方まで計算して作品を組み上げる。サブウーファーの空気圧で揺れる薄い金属片、レーザー光線を乱反射させる鏡面スクラップ、雨が降れば水を溜めて音を奏でる廃タイヤ。機能性と幻想性が同居するその舞台は、DJ やミュージシャンにとっても単なる背景ではなく、パフォーマンスの一部となる。音楽が流れるたびに、オブジェは右へ左へと影を伸ばし、観客の意識を日常から非日常へと引き込んでいく。山田と長田自身も音を作ることがあり、彼らの作品現場にはしばしば自作のアンビエントや民族楽器の音が溶け込んでいる。

この「音と空間の融合」は、彼らが2001年の結成以来一貫して追い続けてきたテーマだ。初期の東京のクラブシーンから、野外のレイブ、アートイベントまで、どんな場所でもその場の音響特性と素材の共鳴を探りながら即興で空間を立ち上げる。結果として生まれるのは、単なる装飾ではなく、音楽そのものと対話するインスタレーションである。

Material and Soul

R type L が掲げる「アンチ資源浪費型社会のための創造」は、単なるリサイクル思想ではない。彼らにとって素材とは、人間の営みと自然の力が交差した痕跡であり、魂が宿る器である。海から拾ったプラスチック片は、何年も波に揉まれて角が取れ、独特の丸みを帯びている。工業スクラップは、かつて何かを支え、運び、組み立てていた記憶を錆の中に閉じ込めている。それらを無作為に集め、手作業で編み上げることで、捨てられた物たちは再び役割を与えられ、新しい生命を得る。これは大量生産・大量消費の現代社会への静かな反問であり、同時に「ゴミ」と「アート」の境界線を溶かす試みでもある。

彼らの素材収集は、日常の延長線上にある。旅先の海辺で、街の路地で、山の登山道で。気の合う仲間と一緒に歩きながら、気づいたら手にしている。収集した植物は乾燥させたり、生のまま組み込んだりして、時間と共に変化していく。枯れて朽ちていく植物と、永遠に朽ちないプラスチック。その対比が、作品に時間の厚みを与える。観客は、設置された瞬間から作品が変化し続けることを肌で感じる。壊れること、朽ちること、錆びること。それらは欠陥ではなく、むしろ作品が生きている証拠なのだ。

  • 海や山、街から収集した植物・ゴミ・工業スクラップ
  • 足場用鉄パイプによる独自の構造体
  • 無機質な人工物と自然物の有機的な織り交ぜ
  • 近未来的かつ幻想的なオブジェ・ステージ・空間の創出

こうして生まれた作品は、一時的な展示の後、また素材へと還っていく。解体された鉄パイプは次の現場で骨組みとなり、植物は土に返る。循環しながら形を変え続けるそのプロセス全体が、R type L のアートなのだ。

Southern Hemisphere

近年、R type L は日本の冬を避け、南半球へと活動の場を広げている。特にオーストラリアでのツアーは、彼らにとって「終わりなき夏」を追いかける旅となっている。北半球が寒さに閉ざされる頃、オーストラリアは灼熱の太陽と乾いた風に満ちている。その対照的な環境は、彼らの作品に新たな色彩と質感をもたらした。ユーカリの葉、赤土、海辺の貝殻、アボリジニの文化に根ざした自然観。日本とは異なる素材と出会うたびに、右と左の概念はさらに揺らぎ、作品はより多層的な宇宙を描き始める。

オーストラリアでの活動は、単なる海外遠征ではない。現地のアーティストやミュージシャン、フェスティバル運営者との協働を通じて、R type L の世界観は国境を越えて共鳴していく。メルボルンの倉庫街でのアートイベント、郊外のブッシュ地帯での野外レイブ、海岸でのサンライズパーティー。どこでも彼らは現地で拾った素材と持ち込んだ鉄パイプを組み合わせ、その土地のエネルギーを取り込んだ空間を即興で作り上げる。日本の湿潤な空気とオーストラリアの乾いた風では、同じ植物も全く異なる表情を見せる。作品は移動するたびに進化し、彼ら自身のアイデンティティもまた流動的になっていく。

山田と長田は、南半球での経験を日本に持ち帰り、それを次の夏のフェスティバルへと還元する。南と北、夏と冬、乾きと湿り。相反するものが螺旋を描きながら交差し、R type L の芸術は「今はここ、ここはどこ?」という問いをさらに深めていく。彼らはこれからも終わりなき夏を追い続け、世界の辺境から平和な革命のざわめきを届けていくのだ。